CKD生産

私もこのブログで何度か使っているが、自動車の生産体制でCKD(Complete KnockDown)という言葉がある。

直訳は、「完全現地生産」。

KnockDownだけだと、半完成品組み立てとなる。
たとえば、シャーシーだけ現地へ送って、トラックのボディーや荷台だけを組み立て、載せたりするレベルである。
CKDといった場合には、部品のレベルから車を丸ごと組み立てることである。

これにもレベルがあって、プレス工場から一貫生産しているか、ほかの国からプレスしたパネルを持ってくるか、ある程度組み立てた状態で持ってくるかとか、エンジンはどっかから持ってくるとか、生産する国によって内情はばらばらである。

第2次大戦後、日本の自動車生産はCKDから始まった。
日産自動車はイギリスのオースチン、いすゞは同ヒルマン、日野はフランス・ルノーといった具合に欧州各社のCKD生産から開始し、徐々に部品を国産化。
車両の構造と生産技術を学び、やがて自社開発へと移る。

その後日本のメーカー各社も、今度はアジア各国や、中南米でのCKD生産を始める。
自国の産業育成のために、輸入車への関税が高く設定されている国が多く、少ない生産数であっても現地で生産したほうが安く現地へ供給できるからだ。

やがて現地での組み立てであっても、輸入する部品に関税がかかるようになり、部品生産の現地化が進む。
タイや台湾などでは、既に自動車のほとんどの部分を現地で生産している。

更には、インセンティブと呼ばれる、現地開発に対して税的優遇を与えるケースも出ており、東南アジアをベースとする車両の開発も既に始まっている。
とは言っても、あくまで周辺部品だけで、エンジンなどの基幹技術は日本で握っているが。

現地資本との結びつきが深い中国は、その意味不気味な存在である。
東南アジア各国では、現地資本が入っていても日本車のブランドイメージが高いためにそのままのブランドで売り続けられている。
しかし、中国では同資本の自動車会社が複数の外国メーカーと提携しCKD生産を行っているケースもある。
そして、生産は政府指導のもとに行われ、調整されている。
態勢がひっくり返れば、工場、生産設備、作ってる車さえもまるごと政府に徴用される可能性もあるのではないか?

中国は自動車にとって将来有望な、巨大な市場であるのは間違いないが、現地化には細心の注意が必要に思う。
私が心配するまでも無く、各社予防線は張っているだろうが‥。

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